在宅医療をはじめるには

在宅医療をご希望されるご本人、ご家族は入院中なら主治医やソーシャルワーカーにご相談下さい。

ご自宅におられるならかかりつけ医やケアマネジャーにご相談ください。

地域によっては医師会に在宅医療の相談窓口を設置している場合もあります。

在宅医療とは、病気を抱えた方が通院困難な場合に、自宅や介護施設において医療者や介護者が訪問して医療やケアを行うことです。

在宅医療ができる状態かどうか

在宅医療が始まるときには皆さん様々な理由・経緯があります。「在宅医療の向き・不向き」;リンクもご覧ください。

A.在宅医療を必要とした理由

在宅医療は国のルールで「通院が困難な方に在宅医療を行う」という決まりがあります。ご自身で通院が可能な方に在宅医療を行ってはいけません。様々な原因で通院が困難になった方に在宅医療を始めています。

1.体力低下や認知機能低下などのため

外来で治療していた方が加齢などで体力や認知機能が低下したなどのために通院できなくなったとき。

2.がんの緩和治療のため

がんに対して手術、化学療法(抗がん剤)、放射線療法などを行っていたが、がんの進行や副作用などのため治療が困難となり、緩和治療のみの方針となったとき。通院可能な方は通院で緩和治療をおこないますが、通院が難しい方は在宅医療で緩和治療を行います。

3.心不全・呼吸不全・神経難病・脊髄損傷などのため

上記などの病気のために通院が困難となったとき。

B.在宅医療を始める経緯

I)在宅医療をご希望のご本人、ご家族からご連絡を頂いた

II)もともと在宅医の診療所の外来にかかりつけ

III)他院からの紹介

IV)ケアマネジャーからの紹介

V)訪問看護ステーションからの紹介

VI)施設入居を機に訪問診療開始

C.在宅医療を始めるときの流れ

①通院が困難になる

上記A.のように様々な理由があります。

②在宅医に訪問診療を依頼

上記B.のように様々な経緯があります。

③ご本人・ご家族と在宅医の診療所との連絡

電話で外来を受診していただくか初回から訪問するかを打ち合わせます。体調がすぐれないなど、急を要する場合には電話を頂いたその日に訪問することもあります。ご連絡をいただいたときに意識障害や全身の状態が極めて悪い(ショック状態など)のときには訪問ではなく救急車要請をお勧めすることもあります。

④初回受診

普段は動くことが難しくてもご家族による送迎や介護タクシーを利用して外来受診が可能な状態なら初回は診療所に来院していただき、ご本人・ご家族(いろいろと説明があるのでご家族がご一緒の方がよいです。)と面会し、今までの病気の経緯をお聞き(問診)し、現在の体の状態を確認(診察・検査)します。来院していただくとX線撮影などの検査もできるので、初回はなるべく来院していただくことをお願いしています。その上で今後の治療方針をご本人、ご家族と相談して決め、在宅医療のスケジュールをご相談します。外来受診が難しい場合にはご自宅や施設に在宅医がおうかがいして問診・診察・検査を行い方針の相談をします。

⑤在宅医療による在宅ケア・治療

初回受診のときに打ち合わせたスケジュールで訪問します。体の状態が変化したときは予定外で往診して対応することもあります。ご本人・ご家族がおかしいなと思った時には訪問看護ステーションや在宅医にご連絡を頂きます。

D.在宅医療の維持

多職種のメンバーが在宅医療を支えます。

在宅医が医療のチームリーダーです。

ケアマネジャーは介護のチームリーダーです。

在宅医とケアマネはそれぞれ医療の責任者と介護の責任者として連携します。

自宅では訪問看護師がとヘルパーがまず生活を支えます。そのうえで訪問看護師が状態を観察し、問題があれば在宅医に連絡をします。

自宅や介護施設でも現在では様々なケア・治療が行えるようになっています。くわしくは「在宅医療でできること」;リンクをご覧ください

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