かかりつけ医は各地域で「何か体のことで困ったら何でもとりあえず相談してください」という役割の医師です。

かかりつけ医とは

かかりつけ医というのは、体に不調が起こった時にまず相談していただく窓口です。「この症状は何科を受診したらいいのだろう?」とか、「どの医療機関に相談したらいいのだろう?」などと迷った場合にはかかりつけ医を標榜している医療機関にご相談下さい。

病気がおこったときに、一般の方々がどの科を受診すればよいかを判断するのは難しいことです。ある症状でもいろいろな原因が考えられるからです。例えば、吐き気を感じたというときに考えられる病気は胃腸の病気だけではありません。脳や心臓、肺、腎臓、内分泌などいろいろな病気から吐き気は起こります。

かかりつけ医自身で診断、検査、治療が可能ならばかかりつけ医が解決します。

かかりつけ医自身では解決が難しい問題の場合には、その問題に適切な医師を紹介します。

日本医師会では、かかりつけ医を「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と位置付けています。

医師は医学を学びます。医学は歴史の中でだんだんと細分化し、専門領域が形成されてきました。外科、内科という大きなくくりから、内科の中にも消化器内科、循環器内科、代謝・内分泌内科、肝臓・胆のう・膵臓内科、呼吸器内科、腎臓内科、血液内科、神経内科、膠原病内科などと専門科に分かれています。外科の中にも消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、泌尿器科、形成外科、麻酔科などと専門科に分かれています。そのほかにも、皮膚科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、精神科、リハビリテーション科・・といったようにたくさんの専門科があります。また、臓器系統別以外に小児科やプライマリ・ケア科、総合診療部、救急科、在宅医療などフィールド別に業務を行う医療体制もできてきています。(小児科は歴史的に昔からあります)

例えば小児科は対象が子供というくくりですべて小児科の対象とされていますが、小児の病気にも心臓、脳、呼吸器と様々な臓器に起こる病気があります。小児科の中でも臓器別に専門家がいます。救急科は主として急に発生して救急車で病院を受診する方をすべて対象としていますから、すべての臓器の疾患を対象とします。

かかりつけ医は「地域のクリニックの外来」というフィールドで仕事をしており、その医師の技能により得手不得手はあるでしょうが、医師会の位置づけからするとなんでも対応できるように準備している医師です。

在宅医療も「自宅で療養する」というフィールドですべての疾患を対象とします。基本的には在宅医療の対象となる方はすべて在宅医が担当します。かかりつけ医が在宅医療をするのは、すべての疾患を対象としたフィールドであるという意味では、通じるものがあります。ただし、在宅医の知識、技能によっては担当をお断りすることもあるかもしれません。よくわからない病気を中途半端に診るのは危険ですので、自信がない場合にはせっかくご相談いただいてもお断りすることはあるでしょう。医師一人一人の技能は違いますから、すべての医師がなんでも診るというわけではありません。各医師が自分の技能を鑑みてできる範囲で診療をしています。自分が診れないときに紹介できる医師を知るための連携として医師会やその他の組織があります。

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