痛みのコントロールのためにはご本人の症状をしっかりと問診・観察することが必要です。
痛みを軽減するために痛みの原因を分析します。
痛みは体の至るところにある痛み受容体が痛みを感じて痛みの信号を脳に伝えることで起こります。
痛み止めとして使われる薬は、痛みの発生を抑えたり、痛みの伝達を遮断したりすることで痛みを抑えます。
まず痛み止めを十分に使って、痛みを抑えることが重要です。痛み止めの効き目の評価も難しいことから、痛み止めが不十分なまま苦しんでいる方も少なくありません。また、「痛み止めはなるべく飲まない方がいい・飲みたくない」と考えて痛みを我慢してしまっている方も時折いらっしゃいます。痛みが軽くて痛み止めを飲むほどではないというときにはそれでも良いと思いますが、ある程度痛みが強くなってくると痛み止めを使った方が良いです。あまりにも過大な痛みになってしまった時にはそれを抑えるのに大量の痛み止めが必要になったりします。ところが、痛み止めを一度に大量に使うと副作用も出やすくなってしまうことが多いのです。痛みが出たら少しずつ鎮痛をしていった方が最終的には痛み止めが少なくて済むでしょう。
たまに痛み止めの効果があまり得られないことがあります。この場合にはトータルペインの考え方が役立つことがあります。
トータルペインの考え方
全人的苦痛ともよばれますが、シシリー・ソンダース博士の提唱した考え方で、がんに伴う苦痛を多面的に考えるための考え方です。
これはもともとは痛みに限らず、苦痛全般を指した考え方ですが、実際に「痛い」という訴えがこの考え方に沿って対処することで減ることもあり、痛みの解決方法の一つとして考えられると思います。
病気の療養に専念していた時には痛みを強く訴えていた方が、痛み止めなどは変更していないのに仕事に復帰したとたんに痛みの訴えがなくなったといった場合には、痛みが身体的苦痛だったのではなく、社会的苦痛だったと評価します。
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